東方の三賢者・第五回




何処とも知れぬ時空。闇に浮かぶ薔薇の館・・・。

聖「これからの30分、貴方の目は貴方の身体を離れ・・・」
すぱーん(ハリセンならぬ丸めたレジメ)。
蓉子「なにやってるのよっ、ちゃんと始めなさい」
聖「いや、ネタに困ったらやるつもりだったのよね」
蓉子「??」
江利子「・・・いくらなんでも古すぎだと思うわ。もうお父さん世代のネタじゃない」
蓉子「え、江利子はわかるのね?」
江利子「薔薇さまとしてのたしなみよ。当然じゃない」
蓉子「そ、そうなの・・・かしら」


蓉子「さ、さて。今回はリリアンの、私たちの制服について語ろうかしら」
聖「毎度さあ。テーマ掲げるのやめにしない?堅苦しいったらありゃしない」
江利子「うん。顧客のニーズに応えるためにも、もっと、こう・・・」
蓉子「ち、ちょっと!?何二人して私のタイをほどこうとしているのよ!(汗」
聖「えー。じゃあ自分のを解けって言うの?」
江利子「薔薇の館でストリップをお望みなのかしら、元ロサ・キネンシスは」
蓉子「い・い・か・げ・ん・に(怒」
聖&江利子「は、はいすみません蓉子さま」

聖「にしてもさー、このアイボリーのタイ。大変だったよねえ。汚れやすくなかった?」
蓉子「そうね、気を使ったわねえ」
江利子「食事のときもそうだけど。いくらリリアンの乙女たちといえど、成長期の少女だからね、どうしても襟の汚れとか、気になったわね・・・」
聖「蓉子さ、替えの制服何着もってた?」
蓉子「とはいっても制服だから。夏冬二着ずつしかなかったわよ」
聖「体操服は?」
蓉子「それも二着。体育の授業っていっても、週にそんなにあるわけじゃないし」
聖「で、今替えの下着は何をお持ちで?」
蓉子「レースのむらさ・・・って誘導しないでよ!」
江利子「・・・・・(ずずーっ」(お茶をすする音)

江利子「そして、『緑を一滴落としたような光沢のない黒い生地』」
蓉子「綺麗な緑に絵に描いてくれる方も多いけれど。日の下で見るとほとんど真っ黒に見えるのよね」
聖「ああ、神の僕たる人間、黒くわだかまりて光り輝く地の上をゆく」
蓉子「なによ、それ」
聖「いや、適当」
江利子「ねえ。ありさんみたいね」
蓉子「ありさん・・」
聖「ありさん・・・」
江利子「・・な、なによ」
聖「んじゃ、これは?」唐突に動物図鑑。
江利子「うしさん」
蓉子「これは?」
江利子「とりさん・・・はっ!?」
蓉子&聖「・・・・・うふふふふ」
江利子「ふ、不覚だわ・・・子供のころ枕元で父や兄にさんざん童話を読んで聞かされた影響がっ」
蓉子「ま、いいじゃない」
江利子「山辺さんと動物園に行ったときには我慢できたのに」
聖「ま、由乃ちゃんには黙っててあげるわよ」
江利子「くっ・・・」

聖「ありさん、ねえ」
江利子「しつこいわね、聖」
聖「いや。どうせならキリギリスがいいなーって思ってさ」
江利子「ああ、あの話・・・」
蓉子「あれも、諸説あるのよね・・アリが本当に衆人の生き方なのか、キリギリスは本当に『かわいそう』なのか」
聖「うん。でもきりぎりすがいい」
江利子「へえ」
蓉子「・・・さしずめ、あの『カトーさん』がアリさん、なのかしら?(微笑」
聖「うっ!?」
江利子「なんのかのと甘えて、食べさせてもらったりしたいんでしょう」
聖「ちょっと違う」
江利子「と、いうと?」
聖「大元のお話同様、アリに放置されて寒さの中でぶるぶる震えたりしてみたい・・かも」
蓉子「ちょっと怪しいわよ、それって」
江利子「そうしたら、アリに差し出されるクッキーの甘さがより沁みる、というわけね」
蓉子「あ・・・」
聖「いや、その・・・」
聖&蓉子「・・・・・(赤面」
江利子「あー、もうっ!今日はおしまいおしまい!」
・・・


聖「ところで、江利子。なんでそこまで知ってるのよ」
江利子「黄薔薇に不可能はないのよ」
聖「ヘアバンドの下に第三の目でもあるんじゃないの?」
江利子「・・・そんなわけないでしょっ!」
・・・




おしまい

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